君の優しさに拳銃を突きつける







反射的にでてしまった声に



零君は意味深な表情で私をみる





「どうかしたか?」




「ううん!なんか髪が引っ掛かちゃって…」




本当は髪なんて引っ掛かってないけど



なんとなく言ってはいけないような



気がしたから咄嗟に嘘をつく







それに



たぶん今のは…


















「…………………………」





やっぱり









私が床を見ると私に投げつけられたであろう



紙くずが転がっている





それを さりげなく拾って中をみてみると








『お昼、裏庭』





とだけ書かれたノートのはしきれ









呼び出しか



行かなくてもいいんだけど



あとで面倒なことになりそうだな













皆にはなんて言おう



















私は誰にも気づかれないように



小さなため息をついた












< 92 / 155 >

この作品をシェア

pagetop