嘘つきな愛の詩
嘘つきな愛
緊張で肩に入る力を抜くことができない。
ドキドキしながらオフィスの扉を開けると、数人の同僚と話していた冨樫先輩が私をチラッと見て微笑んだから
一気に全身が熱くなる。
「詩、おはよう!!さっき、部長が詩の企画書を見てなかなかだって褒めてたぞ‼」
昨夜と打って変わっていつもの爽やかな先輩。
ギャップが更に恥ずかしい…。
耳もとで囁かれた「内緒」の言葉。
でも、だからって
昨夜あんなに激しい夜過ごしたのに、普通すぎます‼
冨樫先輩って…
意外と演技がお上手なんですね。
照れてれしながら
今日は一日中、先輩を目で追いかけてしまっていた。
「詩、今日も残業?」
みんなより一足出遅れて帰り支度をはじめた先輩にドキッとする。