嘘つきな愛の詩
今日も来るって…
言ってたよね?
キョロキョロ周りを見渡して誰もいないことを確認すると
勇気を振り絞って帰り支度をしている先輩にゆっくり近づいた。
「あの…今日…」
恥ずかしくて
なかなか言葉がでてこない。
「今日?今日がどうかした?」
不思議そうに私の顔を覗き込む。
「えっ?あっ…いえ、なんでもないです…」
「そう?…じゃあお先に‼
詩もたまには残業しないで帰れよ」って変わらない笑顔。
「は、はぃ…」
先輩の背中を見送ったあと
突然ガクンと足の力が抜けてその場に座り込んでしまった。
「本当に…昨日のことを忘れてしまってるように見えるんだけど…」