嘘つきな愛の詩
「せ、先輩っ⁈」
慌ててドアを開けると
突然、ギュッ‼て不意打ちハグ。
「早く詩に会いたかった。」
先輩の匂い。
甘い言葉。
やっぱり夢なんかじゃない。
「先輩っ‼…来てくれないかと思ってました。」
「どうして?」
「昨日のこと全部…夢だったんじゃないかって…」
すると、先輩はくすくす笑って私の耳をくすぐった。
「夢なんかじゃないよ?ほらね?」
そう言いながら
私を抱きしめる腕に力をいれて思いきり強く抱きしめてくれる。
「ん?なんか美味しそうな匂いがする」
そう言われて、夕飯の支度の途中だったことを思い出して
慌てて、部屋の中に先輩を招きいれる。
「詩、自炊するんだ?」
「料理のバラエティーは少ないですけど…」
「…食べたいな?」
「えっ⁉でも…
今日はそのっ‼恥ずかしいくらい冷蔵庫の余り物の寄せ集めなんです!」