嘘つきな愛の詩
「いや、見苦しいどころか…すっぴんがこんなに可愛い子
初めて見た」
そ、そんなっ‼
先輩ってそんなキャラなんですかっ⁈
私は
本当に先輩を知らなさすぎなんですねっ‼
「あの、せ、先輩はなんか…会社にいる時と雰囲気がガラリと違いますね?」
慌てて聞いた私に
先輩は一瞬、視線をそらした。
「…先輩?」
聞いた次の瞬間、今度は真っ直ぐに捉えられた瞳。
「どこが違う?」って真剣に聞くから…
困ってしまった。
「その…いつも私を名前で詩って呼びすてなのに…今は君とか言うし…」
「…ああ、そうか…ごめん。詩、俺が来て困ってるの?」
私の頬に触れたまま
瞳を捉えたまま
今度はとても悲しそうな顔をするから
思わず首をぶんぶんと横に振った。