嘘つきな君


「で、太陽
こっちは美恋
……私の娘だよ」


思わず渉さんを見る
さっきよりも優しい笑顔で私に微笑んだ

『娘だよ』その言葉が私に響く

顔に熱を帯びるのを感じた


……はじめて娘だって言われた



目頭が熱くなるのをぐっと堪える



「じゃ、そしたら
私は料理の下準備をしてくるから
……太陽はあと20分くらいかな?
ゆっくりしてて」



「はい」


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