嘘つきな君


固く閉ざされた瞼と深い寝息


いつものように偽装工作


おじさんのケータイから私の連絡先を消して、3万をもって部屋から出る



「ミレイちゃん」


「……また、何かあったらよろしく」


受付のミタさんにペコッと頭を下げてホテルを出る

ホテル街をボーっと歩きながら

やっぱり震え始める指先を押さえ込む


「……近道」


路地裏の細い道が近道

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