嘘つきな君


「え?」


なに?と思ったけど、尋ねる間もなく強い力でグイッと引っ張られて私は立ち上がった


「……どこ」


「なにが」


「家」


その言葉に思わず目を見開く


「……大丈夫」


パッと畑本から手を離して1歩離れる

「ありがとう」


なんとか震える足を動かして
大急ぎで店に戻った


まだ美代さんはクラブで仕事をしてて
この日もバレることはなかった



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