恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
※※※
「ブラックリスト?
あぁ、アレはそんなんじゃないよ」
翌日の昼休み、小林に高遠の事で探りを入れていたオレが話題にしたのは、高遠のブラックリストの事。
「え、じゃあ何?」
「先生の授業っていつも試験前何時間か余るでしょ?
その時間に、教え直す内容を決めるために書いてるんだよ。
生徒が一番聞いてなかったとこをピックアップして教えてくれてるんだよ」
「へぇー……」
……聞かなきゃよかった。
またしても自分の中で上がってしまった高遠の株に、オレは言葉も見つからずに口を結ぶ。
ここ数日で、高遠を見る目が変わったのは変えようのない事実。
それは男として尊敬すらしそうな勢いで……
だけど、それを止めるのは男のプライド。
……つまらない、男のプライド。
高遠が冷たくする理由を小林に言えば喜ぶのが分かるのに、それを止めるのも……男心だ。
呆れるくらいに純粋な、男心。
小林が好きなのに……知ってしまった高遠の気持ちがオレを揺すぶる。
オレなんかが入っていい隙間なんかないように思えて……進むべき方向が分からない。
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