恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
想いのカタチ
「なぁ……好きな奴が付き合ってる男がすげぇいい奴だったらどうする?」
岡田との帰り道。
他に聞ける奴がいないとは言え、岡田に聞くなんて間違ってる気もするけど……
「好きな奴って……小林の彼氏っていい奴なのか?」
「いいから答えろよ」
岡田は「うーん」と数回唸って空を仰ぐ。
そりゃそうだ。
かなり難易度の高い問題だし。
そして悩んだ挙げ句に出した答えは……
「わかんねぇ」
「は? おまえ真面目に考えろよ」
「考えたよ」
岡田は表情を歪ませるオレに、珍しく真剣な表情を見せた。
夕日が岡田の表情を浮立たせて、穏やかな風が短髪の髪を揺らす。
「そん時の自分の気持ち次第だろ。
相手がいい奴だろうがなんだろうが、他の男には渡せないって思うのか……
それとも相手の幸せのために身を引くのか……
それはその立場にならなきゃわかんねぇよ。
今その立場に立ってないオレには答えられないだろ」
「……」
意外にも真面目な答えを返した岡田に、オレは黙り込む。
実際にその立場に立ったオレは……どっちを選ぶ?
本当なら……前者を選びたかった。
高遠から小林を奪ってオレだけのもんにしたいって、ずっと思ってた。
だけど……知ってしまった高遠の気持ち。
オレは……
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