恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
気持ちを留めるモノ
「ねぇ、澤田くんはさ……」
小林と一緒の帰り道。
メールで約束を取り付けたオレは、校門から少し離れた所で小林を待った。
走ってきた小林が可愛くて、オレの顔はその時からにやけっぱなし。
……これじゃ岡田の事言えねぇな。
「なに?」
「……やっぱり後でいいや」
「なんだよ、それ」
少し変な小林に笑うと、小林も笑顔を返す。
なんでもない空間。
それが、相手が小林ってだけで、意味を持つ。
「どこ行くの?」
「んー……カラオケとか小林嫌い?
あ、つぅか男と2人で密室とか嫌?!」
慌て気味に聞いたオレに、小林はクスクス笑う。
だけど、そうゆうのって女の子側からしたら大事だろうし……信頼してても2人きりとかは構えるかもだし……
……オレ、遊んでた時とかカラオケで結構そうゆう雰囲気になったりもしたし。
「カラオケ行きたい。
澤田くんとなら安心だし」
「……」
安心されてもな……
それはそれでちょっとアレなんだけど。男としてちょっと虚しいんだけど……まぁいいか。
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