恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「みんな帰っちゃったね」
「あぁ……」
放課後の教室。
オレンジに染まる教室にはオレと小林だけが残された。
なかなか話を切り出さない、切り出せないオレを小林が不思議そうに覗き込む。
窓の手すりに寄りかかったオレは、そんな小林から目を逸らした。
これからする話は……見詰め合ったまま出切るような話じゃない。
……少なくてもオレにとっては。
「小林はさ……高遠が好きなんだよな?」
「え……」
突然の問いに、驚いた表情を見せる小林。
だけど……小林はその表情をゆっくりと沈ませていった。
「なんで……そんな事聞くの?」
そう呟いた小林に、オレは乾いた笑いをこぼす。
なんで? なんて……そんなの――――……
「……本気で気付いてないのか?
薄々気付いてんだろ? ……オレが誰が好きなのか」
小林はびくんと身体を竦ませて……表情を歪める。
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