恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


……そう。小林は気付いてんだよ。

いつからかは分からないけど……オレの気持ちに。


その証拠に、オレが好きな奴がいるってのを知りながら、それが誰なのか、どこまで進んだのか、何も聞かなかった。

毎日一緒にいたのに、たくさんの話をしたのに、不自然なほどに聞かなかった。

まるで、その話題を避けるように。


それは……オレが小林の事を好きなのを知ってるからだ。


頬を染めて俯いた小林が、その証拠。



オレは、小林に向けていた視線をまた外へと移す。


「……オレの気持ちに気付いたのに、なんでオレと一緒にいたんだ?

……また1人に戻るのが恐かったから?」


普通困るだろ。

友達としか思ってない男に好意持たれても。

困って、あまり2人きりにならないようにしたりするもんだろ。


……だけど小林はそれをしなかった。

その理由は――――……



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