恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


ただ、笑ってる小林の隣を望んでいただけなのに。

それだけでよかったハズなのに……

そんな思いは小林への気持ちが重みを増すごとに汚れていって……


どんどん……どんどん――――……



だから……




「ごめんなさいっ……あたし……」


涙目になった小林がオレを真っ直ぐに見つめる。




ほら、な。

やっぱり自分のせいだと思ってる。


自分を責めてる。


小林は……実は結構頑固だから、きっとオレが違うって言っても聞かない。

絶対に、聞かない。


分かるよ。

ずっと見てきたから。





……――――だけど。


悪者はオレだ。



……小林じゃない。

高遠じゃ、ない。



オレだよ。




俯く小林に、オレは脚を進める。

ゆっくり、ゆっくり……



そして……


「澤田くん……ごめんなさい……」


まだ謝る小林に近付いて……


「澤田く……? ……―――っ」




そのまま、小林の唇を塞いだ。



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