恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


目の前には怒った表情の小林。

……なんで怒ってんだ?


あぁ、そっか。

キスしたからか。


オレは罪悪感に襲われながら謝ろうと口を開く。

悪役に徹しようとは思ってたけど、高遠と無事うまくいったならもうその必要はない。

……謝ったって許してもらえるかは分からないけど。


この、心臓の破裂しそうなドキドキだって……高遠と上手くいったんなら、必要なんかないのにな。

……やっぱり潔く見せられるのは態度だけだな。

オレん中に、まだまだ諦めない小林への想いが蠢く。



「小林……昨日の事は……」

「なんで階段に来ないの?!

しかも購買行くつもりでしょ! あたし買わないで来てってメールしたのにっ」

「へ……?」


小林の言葉に、オレは眉を潜める。

小林が怒ってる理由はキスの一件のハズなのに、小林が言ってきたのは全く違う事で……

ちょっと待て。……意味が分かんねぇ。


「メール? ……つぅか今日ケータイ忘れてきてて……」

「なんで忘れるの?!

……せっかく澤田くんのために早起きしてお弁当作ってきたのに」


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