恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


なんで忘れるのって……もう何に怒っているのかも分からない状態の小林。

つぅか……オレのために弁当って……


分からないづくしの小林に言葉を失っていると、小林の頬が赤く染まり始める。

そして……オレから目を逸らした。


「キス……したからあたしを避けてるの?」

「キス?!」


小林の言葉にオレよりも早く反応したのは、隣にいた岡田。

すっかり忘れていた岡田の存在に、オレは慌てて小林を止める。


「小林っ! その話はまた後で!!

岡田! オレパンいらねぇから!!」


それだけ言うと逃げ出すように2人に背中を向ける。


「澤田くんっ」

「あ、おい、壱っ」


後ろからそんな声が追ってきたけど、そんなん知らねぇ。


それどころじゃねぇ!



なんだ……?


話の内容から推測すると、小林は今日オレのために弁当を作ってきて階段で待ってて……

で、オレが行かなかったから怒った……って事だよな?


つぅかなんで弁当?

昨日キスして逃げたオレに弁当……


あー……もしかして、オレの戦略がバレて、うまくいったから感謝の意味を込めて……?

で、弁当?


……わっかんねぇ。


.


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