恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
キミの隣で
「見つけた……」
その声に振り向くと、そこには少し息を切らせた小林の姿があって……
気まずさに、オレは目を逸らす。
そんなオレにお構いなしに小林はオレの手を掴み歩き出す。
「あ? ……おい、小林?」
「とりあえず来て! ……もう逃がさないから」
「逃がさないって……」
強引な、らしくない小林に戸惑いながら辿り着いた場所は、いつもの階段。
相変わらずひっそりして人気のない階段。
そこに来て、小林はようやくオレの手を離した。
そしてオレを振り向くと、オレをじっと見つめて……
「昨日、待ってろって言ったじゃない。
殴られるから待ってろって……っ
あたし、待ってたのに……」
あぁ……それで怒ってんのか。
謝って欲しいからここまで連れてきて、逃がさないなんて……
それらしい理由を見つけて、オレは少し安心しながら謝罪する。
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