恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「ごめんな……許してもらおうなんて思ってねぇから……。

殴っていい……」

「そうじゃないよっ

キスした事怒ってる訳じゃないっ

……殴りたい訳でもないよ」


オレの謝罪を否定した小林の目はしっかりとオレを見つめていて……てっきり泣き出すんじゃないかと思ってたオレの予想を打ち砕いた。

意思をはっきりさせた瞳で、小林がオレを見据えた。


「昨日……先生と話したよ。きちんと……話した。

自分の気持ちを……」


小林の気持ち……そういえば、高遠もそんな風に言ってたけど……

なんだかみんなして濁す小林の気持ちが意味する事がなんなのか分からずに、オレは小さく眉を潜める。


そんなオレを、小林の揺るがない瞳が捕らえて……小林の言葉がオレを射抜く。





「あたし……少し前に先生と別れたんだよ」





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