恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
……は?
「は?! ……別れた?! 高遠とか?!」
「あたしっ……昨日、先生より澤田くんを待ってた……
そしたらちゃんと言おうって……そう思ってたのに……」
苦しそうに、悲しそうに……オレを見つめる小林。
その瞳は微かに涙を浮かべているようで、キラキラ反射して見える。
「ちょっと待って……なんで……
オレ待ってたって……だって……」
小林が何を言っているのか分からない。
オレが何を言いたいのか分からない。
だってそうだろ?
小林は高遠が好きで、昨日高遠と上手くいったはずだったんだ。
なのに……
高遠は小林がオレに惹かれたのは必然だとか言うし、小林はオレを待ってたとか言い出すし……
なんだよ、これ……
こんなの、まるで……
まるで、小林が本当にオレの事――――……
小林が唇をきゅっと噛み締める。
つらそうに歪ませる表情が、小林の苦悩を表しているようで……なんだかオレまで息苦しくなる。
困惑して窒息しそうだ。
「澤田くんと……離れたくなかったのっ」
そんな中で発せられた小林の小さな声――――……
そして――――……
「澤田くんが……好きなの……
気付いたらすごく、好きで……どうしていいか分からなかった……」
「……――――っ」
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