恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


時間が……止まる。


止まって……オレの心臓も止まったように静かだった。


何も聞こえない世界。


そんな中で……オレは静かに脚を進める。

だんだんと近付いてくる小林の表情は真っ直ぐオレを捕らえたままで……そんな瞳に吸い寄せられるようにオレは脚を進めた。


そして、つま先がくっつきそうなほど近付いてから止まった。


小林の目は尚もオレを見つめたまま。



いつ高遠と別れたのか、とか

どっちから別れたのか、とか


聞きたいことはたくさんあった。


でも。


今、オレが何よりも、どんな事よりも聞きたい事は――――……



「……オレが好きって……マジで言ってる?」


オレの言葉に、小林がコクンと頷く。


「……本当に?」

「本当に……」

「ドッキリとかじゃなくて?」


なかなか信じられないオレに痺れを切らしたのか、小林がオレを強い眼差しで見つめる。

そして


「澤田くんが好きなのっ!

好き……大好……っ」


堪らない衝動に駆られて、すぐ近くにいる小林抱き寄せて、小林の肩に顔を埋める。

強く強く抱き締めると、小林は腕をオレの背中へと回し、それに応えた。


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