恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
たったそれだけの事が嬉しくて堪らなくて……うっかり泣きそうになったのを慌てて抑える。
……やべ、マジで泣きそう。
ずっと……ずっと、捕まえたかった。
オレの隣で恋人として笑ってて欲しかった。
小林の笑顔を、いつでも見ていたかった。
小林の涙を、いつでも気付ける距離に居たかった。
その涙を当たり前に拭える関係になりたかった―――――……
……―――― でも、無理だと思ってた。
それを望みながらも、そんな事ある訳ないって……
それでも、それでも傍にいたくて――――……
それ以上の気持ちなんてなくて……
浮かび上がってきた涙を隠そうと、目を閉じると小林の声が聞こえてきた。
「……もしかして泣いてる?」
「……泣いてねぇ」
「……泣いてるんだ」
「泣いてねぇよっ」
「じゃあ離してよ。澤田くんの顔見せて」
小林の言葉に、オレは抱き締める腕に力を込める。
「やっぱり泣いてるんじゃな……」
「やだ。……やっと捕まえたのにどうして離さなきゃなんねぇんだよ。
……今日はずっとこうしてる」
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