恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
だからさぁ、そうゆう顔……
ああ、そっか。もう我慢しなくていんだっけ。
浮かんできた衝動をそのまま、ストップをかけずに小林に近付く。
小林の少し驚いたような表情を確認してから、そのまま軽く触れるだけのキスをした。
「!!」
一気に顔を赤くした小林が可笑しくて、オレは小さく笑みをこぼす。
「ごめん。可愛かったからつい」
「…~~っ!」
「……ダメだった?」
ずっと近づけなかった距離にいれらる事が嬉しくて……でも小林の反応に、少しやりすぎたかと不安になる。
……結局情けないオレ。
「……ダメじゃないけど……
澤田くんって色んな女の子と付き合ってたよね?
その子達にも……その、こうやってキスしたの?」
気まずそうに、目を逸らしながら言う小林。
その表情は少し不貞腐れていて、怒っているようにも見える。
……これって、もしかして……もしかする?!
「……それって、やきもち?」
「ち、違うよっ」
分かりやすく動揺して、オレの言葉を否定しながらも態度で肯定する小林に、じわじわと言葉になんかできない嬉しさがこみ上げてくる。
今日のオレの嬉しさのバロメーターはきっともう振り切れてると思う。
「そっかぁ……やきもちかぁ」
「違っ……だから違くて、そうゆうのじゃ……ひゃ?!」
階段の横の壁に背中を預けていたオレ。
否定したくてオレの肩辺りのYシャツを掴んだ小林の腕を、そのまま引っ張った。
小林はバランスを崩してそのままオレへと飛び込む形になって……
慌てて顔を上げた小林を、オレは愛しさを込めた瞳で捕らえた。
.