恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「もう小林にしかしない。キスもそれ以上も小林としかしないよ。

……だからさ、小林からキスして?」

「えぇ?!」


驚いて身体を起こそうとする小林の腕を掴んでその動きを封じる。

動けない小林は、困ったような泣きそうなような……またしてもオレの気持ちを鷲掴みする顔をした。


「胸が苦しくて小林にキスされないと死にそう」


寒すぎるオレの言葉に小林は笑みをこぼして……


「キス……したら治るの?」

「いや。多分……絶対悪化するかな」

「じゃあしない方がいいじゃな……」

「悪化させてよ。……今までずっといい子にしてたんだから。

……オレの気持ち、小林が悪化させてよ」


今まで前にも後ろにも転がる事の出来なかった気持ちを……

小林が思いっきり傾けて転がしてくれよ。


どんな壁にぶち当たっても、それを壊すくらい勢いがつくように。


思いきり、オレの気持ちを――――……



真っ直ぐ見つめる先で、頬を染めた小林がゆっくりとオレに近付く。


そして――――……



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