恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「高遠にさ、安心して次の彼女探せって言っておいて。

小林の事はオレが何が何でも死に物狂いで大切にするからって」


奥歯を噛み締めながら真剣に言ったオレに、矢野センがふっと笑みをこぼす。


「すげぇ意気込みだな」

「まぁな」


大人の事情なんかオレにはまだよくわかんねぇけど。

だからこそ、今オレに出来る事を必死にやるしかない。

いつか、もし高遠が小林を奪いにきても、その時小林がオレを選んでくれるように。

小林が高遠のがよかったなんて、微塵でも思わないように。


……つぅか思わせねぇけど。そんなふざけた事。


もしも小林の頭にそんな思いがよぎったら、高遠だってきっとオレに小林を任せた事を後悔するし。

身を引くって決めた自分を、後悔するし。


……つぅか、だから思わせねぇんだからんな事心配する必要もないし。


うん。

小林を想う気持ちなら、誰にでも自慢できるくらい真っ直ぐだから。

強く、綺麗だから。



……誰か見てくんねぇかな。

なんかすげぇ自慢したい。



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