恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
だって、バラせば高遠との関係が終わるんだぞ?
それどころか、高遠は最悪懲戒免職だし、小林だって軽くて停学、重ければ……学校に居られなくなるかもしれないのに……
それの何がいいんだよ。
長い沈黙に何を考えていたのか、小林はずっと高遠の机を見つめていた。
こんなに近くに居て脅しまで掛けてるのに、オレなんか眼中にないように高遠の姿に想いを馳せる。
小林の瞳が、いない高遠を見つめてる。
いつも教壇を見つめるその目が一瞬、つらそうに細められた。
「……じゃあ行くから」
「え……あ、……」
感情を映していたはずの小林の瞳が、オレに向けられた瞬間、また冷たいものに変わる。
そしてそっけない言葉を残して、ドアに向かう。
そんな小林に、情けないオレはどこまでも情けないまま……何も言えずに小林の後ろ姿を見送った。
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