恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
結局眠れないまま、オレは枕に押し付けた頭で小林と高遠の事を考えていた。
似合わなくはない、2人の姿を。
だけど、オレだって似合わなくはねぇ。
むしろお似合いだろ?そこそこの美男美女カップルだろ。
でもきっと……いや、絶対、オレじゃダメなんだ。
虚しく落ちていく気持ちに、オレは1つため息を吐く。
窓から入り込む月明かりがやけに優しく感じて、そのまま目を閉じた。
……明日、謝るか。
そしたら笑ってくれっかな……
ありえない小林の笑顔を思い描いて、オレの意識は飛んでいく。
なぁ、小林。
謝るから。だからオレの存在を1歩高遠に近づけてくれよ。
そんな小さすぎる願いを、月に馳せて。
……って、オレは乙女かよ。
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