恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「や、なんかくっついちゃったみたいで。これ」
「へぇ……そりゃ大変だなぁ。
オレが剥がしてやるよ」
「いいっ……いってぇ!矢野セン!ギブギブ!!」
ひねりあげられた左手にタップすると、矢野センがにっと口の端を上げて笑った。
「よかったな、剥がれて」
「……サンキュー」
くそっ
矢野セン余計な事しやがって!
これじゃ小林の顔が横目に入っちゃうだろぉがっ!
オレはどうしていいか分からずに、仕方なく視線を小林に移すと……小林は慌てた様子でオレから目を逸らした。
……?
なんか新鮮な反応……
絶対めっちゃくちゃ睨まれるんだと思っていたオレは正直拍子抜け状態。
朝から何度と無くチラチラと視線を送ってきていた小林は、何かオレに言いたいんだと思ってたのに。
あ、何かってのはもちろん怒りの言葉だけど。
優勢にいる小林がなんでオレから目を逸らす?
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