恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
※※※
「なぁ。ちょっとは笑ったりしねぇの?」
オレが見つめる先で、小林がちらっとオレに視線を移す。
その目は、強く睨みつけるよう。
……嫌われてんのかな、オレ。
「オレさ、別に小林に何もしてねぇよな?
なんか怒られるような事した?」
オレの問いに、小林はなんとも言えない困ったような表情を浮かべた。
つぅかさ、オレに話しかけられて嬉しくねぇの?
自分で言うのも、まぁ……アレだけどさ。オレ、ぶっちゃけモテるし。
顔も結構レベル高いし、身長だって174だし、これからもっと伸びる予定だし。
性格は……ちょっとモテるのいい事に遊びまくったりしてたけど、基本的には悪い奴じゃない。
校則違反だって、ピアスと髪色しか注意されない程度なのに。
小林は一体オレの何が気に入らねぇんだ?
オレがじっと見つめる先で、小林が気まずそうに俯いた。
耳にかかっていたストレートの長い髪が、その仕草に流れ落ちる。
ハニーブラウンの髪は、さらさらと小林の横顔を隠してく。
その髪の綺麗さに、思わず出そうになった手をぐっと意識して留める。
……くそ~…すげぇ触りてぇ。
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