恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「澤田、おまえいい加減にしろよ?授業聞かねぇんなら次の試験は100点取れる自信があるって事だよな?」

「違うって!矢野センに肩脱臼されちゃったから今はめ直して……」

「減らず口も大概にしろよ。……ったく」


ぶつぶつ言いながら呆れ笑いを落とす矢野センは、優しいと思う。


口では何言っても、誰も置いていったりしない。

どんな要領悪い奴でも、どんな授業聞かない奴でも……ちゃんと軌道に乗せてくれる。


ダルそうなスタイルに隠した熱い教師魂は、生徒にもちゃんと伝わっていた。

だからか、みんなも矢野センの授業はちゃんと聞くし。

生徒を思って真剣に教えてくれる教師にはむかうほど、オレ達だってバカじゃねぇんだ。

……ただ単に矢野センの人柄が好きだって理由も大きいけどさ。



そういや、矢野センって高遠と意外と仲いんだよなぁ。

……矢野センは知ってんのかな。小林と高遠の事。


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