恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
……そのマジックを小林にもかけてくんねぇかな。
みんなが矢野センとの会話を楽しむ中、小林の視線が再びオレを捕らえている。
オレはその視線を横っ面に感じながら、少しだけ顔を背けた。
ささやかなオレの抵抗は小林には届かず、チラチラと感じる視線。
……やっぱ、謝ろ。
クラスを盛り上げる話題は、矢野センの高校時代の話だった。
「矢野セン、絶対不良だっただろ〜」
「いや、オレ生徒会長とかやってたし」
「嘘つくなよっ」
「どっちだっていいじゃねぇか。オレがそうだって言ってんだからそうなんだよ」
楽しそうな雰囲気の中、オレと小林の間を流れる空気だけが……重い。
助けて。矢野セン……
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