恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「時々、全部が嫌になる。先生も、この関係も……あたしが望んでる事なのに、全部、壊しちゃいたくなるんだ。
……変だよね」
微笑みを浮かべている口元と、悲しみを浮かべている瞳。
矛盾する自分の気持ちに困り顔をする小林に言ってやれる言葉なんか、オレにはない。
今までのオレのままごと恋愛なんかで培った事なんて……なんの役にも立たない。
怒った女の上手い交わし方とか、泣かれた時の声の掛け方とか……小林には使えない。
……いや、使えねぇ。使いたくない。
……小林には。
好きな奴には……そんなんせこい事、計算づくな事なんか、出来る訳ない。
「……よくそうなんの?」
沈黙を破ったオレの言葉は、考え抜いた挙句、結局大した事のない言葉。
だけど……
「よく……たまに、かな。
……そうゆう時はどうしていいか分からなくなるんだ。
すごく怖くなる。
もし……もしもそんな気分になった時のあたしが何か……」
「小林」
「ん?」
「友達になろう」
「え?」
オレの申し出に、小林が戸惑った表情を見せた。
そんな小林に、オレは言葉を続ける。
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