恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「友達になっていつも傍にいてやる。
……小林が暴走しそうになったら、オレが止めてやる。何度でも。
その代わり、オレの前では……本当の小林でいろよ?
そしたら絶対にオレが小林を止めてやるから」
オレがこの時選んだ道は、間違ってはいなかった。
オレが小林の傍にいられる唯一の手段だったんだから。
だけど――――……
友達の関係が、こんなにもつらく苦しいものだったなんて……オレには理解できていなかったんだ。
高遠が好きな小林と、小林が好きなオレ。
簡単に想像は出来たのに。
それでも友達を選んだのは……それ以外に小林と一緒に居られる方法が見つからなかったから。
どうしても小林の笑顔を近くで見ていたかったから。
……―――― 小林が、好きだから。
友達上等。
最高の男友達になって、いつか小林を振り向かせてやる。
友達でなんか、終わらせない。
「うん……ありがとう。澤田くん」
小林の素直な笑顔に、オレも微笑んで見せる。
友達上等。
……でも狙うのは彼氏の位置。
この日から、オレのひどく険しい友達生活が始まった。
つらく苦しい友達生活が。
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