恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


小林は髪もだけど、外見も綺麗……つぅか可愛い。と、オレは思う。

睨みつけてばっかの目は、愛くるしいとは言えないけど、ひどく澄んでる。

小さな鼻に、薄い唇。

全体的な顔のバランスはいいと思う。

なにより魅力的な髪もよく似合う白い肌。

……多分、これで愛想がよければすげぇモテんだろうな。


「……別に、何も」


じっと小林を観察していたオレの耳に、細い小さな声が届いた。

小林は相変わらず、気まずいと言うか、申し訳なさそうと言うか……そんな目でオレを見ていた。


「あ、マジ?よかった~……オレ自分でも気付かないうちに何かしたんかと思った~。

……じゃあなんでいつもそんな怒ってんの?」

「……」


あ~あ。まただんまりですか。


仲良くしたくて話し掛けても、返って来る反応の悪さに、いつの間にか誰も話し掛けなくなった。

そうして、この孤立した小林の出来上がり。

進級してまだ2週間なのに、すっかり孤立しちゃった小林に話し掛けるのはもはやオレのみ。


なんでなんだろうなぁ……


気になって、1年の時小林と同じクラスだった奴に聞いたけど、1年の3学期あたりから様子がおかしくなったらしい。

それまでは普通に友達と話してたらしいのに、急に……


いじめられたんかな……



.

< 4 / 164 >

この作品をシェア

pagetop