恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
……いいんだ。急いでねぇから。
小林が高遠しか見てないのなんか百も承知。
オレなんか眼中ないのも百も承知。
それを知ってて仕掛けてるんだから別にいんだ。
それを知ってて好きなんだから……こんな事でガッカリしたりしない。
……ちょっとだけしか。
オレって結構ヘタレだな……
「つぅかオレ、そうゆう友達なんかいないからな?」
そこだけは誤解されちゃ困る。
そりゃそうゆう年頃だけどさ、そこまで見境なくはない。
……無駄にモテたから別れてもすぐ次の彼女出来てたし。
不自由はしなかったけど、どこか埋まりきらなかった。
今は……もうそんなんいらねぇ。
「うん……なんかね、こうやって話すようになってから、澤田くんはそんな人じゃないかなって感じてたんだ。
思ってたよりずっと優しい人なんだね」
「……いや、優しくはねぇ」
「……照れてる?」
「……少し」
だって小林が褒めたりするから……
しかも笑顔のオプション付きで。
素直に白状したオレに、小林がクスクスと笑う。
隣で小林が笑ってくれてる。
これがオレの望んでた事。
まずは第一目標達成。
.