恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
chapter Ⅱ
ポジティブに。
「なぁ、高遠と小林って何がきっかけで付き合うようになったの?」
いつものように、昼休みの屋上前の階段。
食後のアップルパイを食べる小林に聞く。
オレ的にはアップルパイもパンだと思うんだけど、小林的にはデザートに分類されるらしい。
……まぁ、どっちでもっていいんだけど。
「え~……恥ずかしいな」
照れて頬をほんのり染めた小林に、オレは小さな苛立ちを感じて、小林に片手をかざす。
「いや、やっぱりいい」
そんな素敵な思い出話は小林の中に収めといてくれ。
「なんで?!聞いてよ」
あんな照れといて、本当は話したかった様子の小林が、オレのかざした手を掴む。
……聞きたくない。
だって絶対凹むもん、オレ。
だけど……
小林に握られた手に、オレにはもう拒否権なんてない。
オレは少し速くなった脈に、仕方なく残された選択肢を口にした。
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