恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


じぃっと食い入るように見つめていると、小林の視線が再びオレを捕らえた。

だけど、小林の目はまた警戒心満開。


「澤田くん、あたしに構わないで?」

「……」


やっぱりオレ何かしたんかな……


こんなにもなびかない女は初めてで、なんだか全てにおけるやる気すら奪われる。

別に口説いてる訳じゃねぇけど。


だけど、どうも気になんだよな。

顔とかスタイルがタイプってのもあるんだろうけど、それだけじゃない何かが。

それは多分……


小林が教壇に向けていた、あの強くも切ない視線のせい。


あの瞳が、オレの中から離れないせい。


あれは……何の目だ?

何を見つめてああなってた?


あんな切なくて泣きそうな顔で。

あんな苦しさを堪えるような顔で。

一体何を見つめてた?


何度も何度も思い出そうとして、最後に思い出したのは――――……



ありえないだろ。



なぁ、小林。

おまえ、誰を好きなんだ?



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