恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「ちょっとぉ!壱ぃ」
……語尾を伸ばすなっ
つぅか、彼氏いんならオレを誘うなよ。
たった1日会えないくらいで他の男とデートすんな。
どんだけ寂しがり屋だよ。
なんだか沈んでしまった気持ちに、オレは乱暴に鞄を抱える。
小林は……一体どれだけの寂しさを抱えてんだろ。
どれだけつらい思いをしたんだろ。
きっと、オレなんかの何十倍ってそんな思いをしてるんだろうな。
1人で耐えてきたんだろうな……
「壱のばかぁ!」
「……」
後ろから追ってきたメグミの声に、オレは振り返らずに手を振る。
今小林は何してんかな……
もう家かな。
考えたってしょうがねぇんだけど。
小林の苦しさなんかいくら考えたところで分かってなんかやれないし、もし分かっても何もしてやれない。
小林の寂しさとかつらさを埋められるのはきっとたった1人だけだから……
他の男じゃ、オレなんかじゃ埋められないのは分かってる。
……だから傷付くなよ、オレ。
しかも自分の考えで傷付いてどうすんだよ。
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