恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
少しだけ気まずい雰囲気が辺りを包む。
好きな奴がバレるって……結構恥ずかしいもんだな。
「小林キレイだしなぁ。ちょっと無愛想だけど」
「……」
「しかし壱が女にハマるなんて初めてか?
しかもあれは……ちょっと難易度高そうだよな」
「やりがいあるだろ」
前向きなオレが意外だったのか、岡田は一瞬びっくりした表情をオレに向けた。
そして……
「壱はやる時はやる男だからな。
オレの自慢の弟分だよ、ホント」
「オレが弟かよ」
岡田の肩を叩き、2人で笑う。
自信なんか何にもない。
余裕だってなくて、相当格好悪いけど……
だからこそ、発言くらいはポジティブに。
明るい笑顔で元気をくれる岡田の髪をぐしゃぐしゃにしながら、ふざけあって道を歩く。
気分が沈んだ時でも一緒にいると元気になれるような……オレは小林のそんな友達になりたい。
……ってドコ目指してんだよ、オレは。
苦笑いを浮かべた瞳に、夕陽が眩しかった。
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