恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


……オレって本当にダメダメだな。

頑張るって覚悟決めたのに、こんな風に矢野センの意見求めたりして。

背中押してもらわなきゃ自分のしている事に自信が持てないなんて。


押し付けがましい友情が、小林を困らせたらどうしようなんて、らしくない事に不安を感じてた。

友情が本心からじゃないから特に……


でも……


「矢野セン、教室戻るわ」

「戻れ戻れ」


鬱陶しそうにオレを追い払う矢野センに、小さく笑ってから学習室のドアに手をかける。


「オレ、頑張るわ。ギリギリまで頑張る」


笑顔を残してドアを閉めた。

頑張る。


何をどう頑張ればいいのか分かんねぇけど、とりあえず頑張る。

小林を、諦めない。


思いっきり片思いだっていい。

それだって立派な恋だし。

どうせするなら一生懸命してやる。


必死に、片思いしてやるよ。


迷う事があっても、小林への想いだけはきっと揺るがないから。


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