恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~

 
 ※※※


……―――― キーンコーン…


昼休みを告げるチャイムが教室に響くなり、生徒が騒ぎ出す。

まだ授業終了の声は掛かっていないのに、週番が「起立、礼」と掛け声を掛けた。

大体の教師が生徒に舐められてる現状は、高1の夏休み明けくらいから始まったんだっけ。

オレ達生徒の間では、体育教官と数学の矢野・古文の高遠以外の教師には何をしてもいいっていうとんでもないルールがある。

もちろん、限度はあるけど。


それは恐い体育教官と、兄ちゃん的な矢野セン、クソ真面目で逆らえば評価を1にされる事間違いなしの高遠の授業は真面目に。

それ以外は適当に力を抜く。


多分、こうゆう世渡り術が社会に出た時役に立つんだろうな。

勉強なんかよりよっぽど。


隣を見ると、小林が弁当を持って席を立ったところだった。


ここ2週間、小林を観察していたせいで、小林の1日の行動パターンはオレの頭に完全にインプットされていた。

……って変態じゃねぇんだけど、普通に危ないな、オレ。


小林がトートに入った弁当をぶらぶらさせながら走って教室を飛び出す。

……いっつも思うんだけど、あんなに振ったら弁当の中身ぐっちゃぐちゃだぞ。



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