恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「小林最近弁当作んねぇな」
「……だって好きな人にしか作らないもん」
小林の答えに、オレの心がポキッと折れた。……気がした。
あわよくば、小林の手作り弁当が食べられるかもしれないなんて……そんな事あるはずないのに。
欲張った幻想は、オレの中で流れるように消えていった。
……聞かなきゃよかった。
「小林って何で友達作んねぇの?」
昼休み、いつもの定位置。
この階段はオレにとってかなりお気に入りの場所になりつつある。
オレの言葉に小林は口を尖らせて何とも言えない表情を浮かべた。
「あたしってね、感情が顔に出やすいの」
「……」
……これはオレの質問に脈絡のある話なのか?
オレの微妙な表情を気にせずに、小林が続ける。
「小さい頃からずっとそう言われてきたからあたし自身もその事はよく分かってるんだ」
……うん。だからさ、オレが聞いてんのは……
「だから……きっと普通にしてたら……友達作ったりしたら、先生との事、誰かにバレちゃう……」
――――……
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