恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
0.1%とか、そんなちまちま稼いでても仕方ない。
96%を1人で占める高遠が恋敵なんだから。
しかし、96:1って……どんな割合だよ。
ため息をつくオレに、林檎うさぎが愛らしい微笑みを向ける。
ちっこいオレの同志……
……しかしまた林檎かよ。
もういいよ、林檎は……
林檎うさぎの向こうで今日もアップルパイを食べる小林に、オレは苦笑いを浮かべる。
まぁ、いいや。別に。
こいつと同志も悪くない。……可愛いしな。
「共食い~」
ふざけて小林の食べるアップルパイに林檎うさぎを近付かせる。
「だから!どっちかって言えばうさぎなんだってば!」
口を尖らせる小林と、目を合わせて笑った。
クールな姿は……無理矢理作った鎧。
1つの恋を守るのに必死で……小林が纏った重い鎧……
オレの前ではそんな鎧剥がしてやる。
中から出てきたのがどんな小林でも、好きだって言える自信がある。
好きだって言ってやるから。
だから全部さらけ出せよ。
安心して泣いて笑って……オレに頼って。
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