恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「もぉ……こんなに走ったの久しぶり」


身体を起こした小林は、膝についていた手を胸に当てて弾けそうな笑顔を向けた。

不意打ちの笑顔に、飛ばされそうになった意識を手繰り寄せる。

……あぶね。


「ごめんな。……や、たまには寄り道していかないかな~なんて……思ったりなんかしてさ?」


なんだ、これ。

何緊張してんだよ、オレは。

柄にもなくあがっているオレを、小林のキョトンとした瞳が見つめている。

ほんの少しの沈黙が、オレをこれ以上ないくらいにドキドキさせる。

小林は少し考えて……オレに笑顔を向けた。


「うん。いいよ」


小林のOKの返事に、心の中で思いっきりガッツポーズしたのは、もちろん内緒。

……だってカッコ悪いし。


「あ、まじ?じゃあ行くか」


平然を装いながらも、頭の中は軽い興奮状態。

だって……だってこれ、デートだろ?

やべ、テンション上がる。


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