恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
友情の証
※※※
揃いの林檎うさぎが跳ねる鞄を揺らして帰り道を歩いてる時だった。
「あ、やっぱり……」
小林が、そう漏らした。
……鞄の中を探りながら言うところを見ると、何か忘れ物か?
「なに?」
「んー……ケータイ学校に忘れてきたみたい」
「え、ケータイ?!」
「うん。でもいいや。明日も学校だし……」
小林が見せた笑顔は愛想笑いだと思う。
だって、小林にとってケータイは……
「……いや、取りに行こ。
……オレ夜の学校って興味あるし」
だってさ、小林のケータイは小林と高遠を繋ぐ大切な物だろ?
もしかしたら今日、電話があるかもしれない。
メールがあるかもしれない。
……正直、そんなん気に入らないけど。
小林がそれが気になって一晩中眠れないんじゃ嫌だし。
一晩中小林が高遠なんかの事考えてるんじゃそれこそ嫌だし。
「でも……」
「いいから。……オレなんかに気使うなよ」
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