恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


オレの腕の中から、小林の小さな声が再び漏れた。


「……痛いよ」


それは多分、オレが力を込める腕に言ったんだろうけど……オレには違く聞こえた。




『胸が、痛いよ……』って。

『苦しいよ……』って―――――……



すっかり大人しくなった小林が、オレの肩におでこをくっつける。


小林に共鳴したように痛む胸を感じながら、オレは小林を抱き締めた。

傷だらけの小林を。


穏やかな風が、2人のバックの林檎うさぎを揺らす。


……毒々しい友情の証を。









to.小林
sub.
―――――――――――
高遠から連絡あった?


―――――――――――


from.小林
sub.Re
―――――――――――
ううん。

でも気にしてないから
大丈夫だよ。
心配してくれてありがとね。

あと、林檎うさぎありがとう。
でもお揃いなんて、
学校に付けてくのちょっと
恥ずかしいね。

―――――――――――



.
< 82 / 164 >

この作品をシェア

pagetop