恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
表情の見えないメールはじれったい。
小林がこのメールを、どんな気持ちで打ったのか考えて……オレは眉をひそめる。
強がっているのか、それとも本当に気にしていないのか……
いくら考えても仕方ない事は分かっているのに、なかなか頭の中が切り替えられない。
泣いてないかな、なんて、そんな考えが幾度となく頭を過ぎった。
結局、オレの腕の中じゃ泣かなかった小林は……今何を考えてるんだろう。
……今日の事を考えない訳ない。
小林の96%を占める高遠の事を、考えない訳がないんだ。
小林が1人で泣いてるかと思うとやりきれなくて、オレは枕に顔を埋める。
今日は、デートして手を繋いで、抱き締めるまでしたのに。
オレの気持ちは晴れなかった。
晴れるどころか、雨まで振り出しそうな気持ちに、オレは深いため息をつく。
何度もついたため息が部屋に溜まり、なんとも重い空間が出来て……
そんな中で愛らしく微笑む林檎うさぎに、オレが呆れ笑いをこぼした。
すっかりなじんだ同士。
林檎うさぎを渡した時の小林の笑顔を思い起こして、オレは瞼を下ろした。
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