恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「悪いんですけど、オレの彼女すごいやきもち妬くんで、こうゆうのはちょっと……
うまそうなんで勿体ないんですけど」
「あ……そうなんですか。
じゃあ仕方ないですよね……そうですよね、彼女いるんですもんね……」
「すみません」
少しショックを受けたようにも見える馬場が、紙袋を持ったまま学習室を出る。
ピシャンとドアが閉まったところで、女子生徒が口を開いた。
「……可哀想。もらってあげればよかったのに」
「だから言ったじゃん。彼女がすげぇやきもち妬くからって。
……多分、もらわなくてもこの話聞いただけで少しご立腹だろうけど」
「……手のかかる彼女で大変だね」
「別に。そうゆうとこも気に入ってるから問題ねぇよ」
「うわぁ~、矢野センすげぇノロケ!」
オレの言葉に、矢野センは照れる様子もなく余裕たっぷりに微笑んだ。
そしてその微笑みを向けられた女子生徒は口ごもって、小さく笑みをこぼす。
……なんだ、この空気。
なんか甘ったるくね?
「ところで、澤田。片思いの相手とはどうした?」
急に話題を振られて、オレは首を傾げる。
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