恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「別にどうも……だけどいい友達にはなったと思う」

「友達?」

「うん。だってさ、その子彼氏いてさ、そいつの事が頭の96%を占めてんだって。

それに訳ありな奴と付き合ってるから……今は相談相手になってる」

「それで澤田は満足なんだ?」


矢野センが挑戦的な視線をオレに送る。

……分かってるよ。

分かってる。


「そんな訳ねぇじゃん」


友達のままでいい訳ねぇじゃん。

好きなんだから。

……でも。


「恋人がいるならそんな簡単に告白できる訳ないじゃん。

好きだから、言えないんだよ。

その子の幸せを壊したくないから」


オレの気持ちを代弁をした女子生徒が矢野センに口を尖らす。

なんで分かんないの?とでも言いたげに。

そんな女子生徒に、矢野センが笑みをこぼした。



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