恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


翌日、一度も目を合わせないまま時間だけが過ぎた。

普段から教室では話さないのが暗黙のルールだったけど、そのルールをこんなにも疎ましく感じたのは初めてだった。


でも、その反面、心のどこかで安心している自分に気付き、また嫌悪感が増える。


謝りたい。

だけど小林の反応が怖い。


その2つの考えが、頭の中を回っていた。




4時間目前の10分休み、小林がケータイをいじりだしたのが横目に映った。

高遠にメールでも送るのかも、なんて思っていると、ポケットの中のケータイが震えだして、オレは慌ててケータイを開く。

たまたまのタイミングかもしれない。


けど、もしかしたら――――……


淡い期待に焦る気持ちを抑えながら開いたメール。

その送信者は……



from.小林
sub.
―――――――――――

今日お昼休みになったら
すぐ階段に来て。

寄り道とか絶対禁止。

―――――――――――


その文面に小林を振り返ると、小林はオレを見ようとはしなかった。

そんな小林に、オレも視線を戻す。


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