恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~
「食べよ?」
小林に笑顔を向けられて、オレは小林の隣に座る。
卵焼きに、にんじんといんげんの肉巻き、かぼちゃの煮物。
泣きそうなのを堪えながら箸を進める。
「おいしい? 一応全部手作りなんだけど……」
「……やばいくらい旨いっす」
小林がオレのために作ってくれた弁当。
それが嬉しすぎて、言葉も出ない。
オレの事を好きだって言ってくれた小林。
オレのせいで傷ついたのに、それでも友達だって言ってくれた小林。
この弁当は、もしかしたら、オレが気にしてると思って作ってきてくれたのかもしれない。
そう思うと、余計に言い表せない感情が浮かび上がってきて……
オレは無言で箸を進める。
小林の優しさが、オレの胸をどうしょうもなく締め付ける。
こんなに嬉しくて、こんなに泣きそうになった弁当なんか、これが初めてだった。
.